姿勢を正すことは悪いことではありません。しかし、ただ正せばいいというわけではないのです。無理に姿勢を正すことが、骨格や筋肉に負担をかけている場合があるということをぜひ知ってください!
それでは『無理やり姿勢を正すことの問題』についてお話したいと思います。
椅子に座った時、ほとんどの方が左側の絵のような、姿勢を正した
座り方がよいと思われているはずです。本当にそうでしょうか?
姿勢を伸ばした座り方、立ち方をすることは確かに大切な事です。しかし、首の骨のズレを整えないまま、骨格が歪んだ状態でその姿勢をとることは、逆に身体に負担をかけてしまうのです。
私たちの身体の骨は、首の骨がズレることで歪み始めます。身体の骨
は全て繋がっているため、歪みは背骨にだけでなく肩、骨盤、膝などにも起こってきます。
首から下の骨のズレは、5~6キロある頭蓋骨を一番上で支えている首の骨がズレる事で、身体が全体のバランスを取ろうとおこしていることです。したがって、これは首のズレに合わせた、身体の自然な歪みなのです。
つまり首の骨がズレたのちに起こる、猫背や身体全体の前傾、腰の反り返りなど、どれも悪い状態の姿勢であるものの、身体のバランスを取るためには必要な姿勢であるといえます。
さて、その自然にできた姿勢が悪いからと言って首の骨のズレも整えず、無理やり背筋を伸ばしたらどうなるでしょう?
それは自然の作りに反し、無理やり骨を矯正することになります。その結果、自然なバランスを崩された身体は、悪い姿勢によって起こる以上の痛みや問題を引き起こすことになるのです。
また、どんなに無理やり姿勢を正して骨を矯正しても、それは身体全体のバランスにとって不自然な姿勢となるため、骨は再び悪い方へと動いていきます。
これは歯の矯正を考えると分かり易いかと思います。矯正というだけあって、自然な歯の位置をワイヤーなどで強制的に『人間が考える』歯並びの美しい位置へと動かしていきます。その過程で、ほとんどの方が歯や歯茎の痛みや、顎や首周りの筋肉の緊張を感じます。そして、その矯正した歯は、毎晩リテイナーをつけていなければ、また歯並びの悪い方向へと動いていってしまいます。
当オフィスの患者さんを例にあげて説明しましょう。
当オフィスにおいでになる長年ヨガや踊りをされている患者さんは、横から見ると胸をはった皆さんのおっしゃる美しい姿勢をされています。しかし、身体の内側にある骨は、レントゲンを撮るとかなり歪んでいます。
そして、美しい姿勢を常に取り、ヨガや踊りなど健康につながるといわれていることをしているにも関わらず、様々な痛みや問題を身体に抱えているのです。おかしいとは思いませんか?
下の二枚のレントゲン写真はヨガや踊りをされ、外見の姿勢が正しく美しく見える患者さんのものです。どちらの首の骨もその状態は非常に悪いです。
皆さんは大切なことを見逃しているのです。姿勢を正すうえでまず重要なのは外側ではなく内側です。無理に姿勢を正すより、内側の骨格を整える事からはじめてください。
無理やり姿勢を正すこと、それは身体に負担をかけることになります。
『首のズレを整えると、それに合わせて身体全体の骨は自然と良い方向へと動きます。
そう!無理をしなくても姿勢は自然と良くなっていくのです。』