首の一番上の骨と後頭骨の接合面に大きなズレが見られる患者さんがかなりいます。(ここでいう大きなズレとはミリ単位のズレのことです。たとえ0.数ミリのズレでも、頚椎の中を通る神経系には圧迫が起こります。)
その患者さんの多くに共通しているのが、小学生のころや学生時代にサッカーや野球、ラグビー、ウィンタースポーツ、格闘技などの経験があるということです。
首の骨のズレ自体はかなり幼い頃から起こっていますが、ここまでの大きなズレは、怪我や事故など大きな衝撃を身体に受けることで起こります。
その上部頚椎がズレることによる問題点は3つあります。
1.上部頚椎から下の骨が補正作用で悪い方向へズレてしまい、
首や腰、肩や膝など骨格の問題を引き起こす。
2.脳からの情報伝達を行う神経に圧迫が起こるため
脳から身体に送られる情報伝達に問題が起こる。
3.脳幹の一部である延髄は第一頚椎を通っており、
頚椎がズレることで、脳幹の機能に影響を及ぼす。
首の骨のズレを、高校時代、サッカーで脳震盪を4回起こした患者さん(28歳)のレントゲン画像を使って紹介したいと思います。
若い頃に起こった首の骨のズレは、遅かれ早かれ健康の問題として身体に現れてきます。28歳という若さにも拘わらず、彼には精神的・身体的な問題が既に出ており、彼自身の日常生活に支障をきたしていました。
それではレントゲン画像(拡大画像)を見てみましょう。
↑ のレントゲン画像の赤丸の部分は一番上の首の骨と頭蓋骨の接合面です。
こちらの画像をもう少し詳しく説明したのが次です。
↑ それぞれの骨の名称と患者さんの骨の外側をラインどりしています。
そして、第一頸椎上関節窩と頭蓋骨後頭顆の接合面が大きくズレている部分がこちらです ↓
上下の接合面がそろっていません。
この接合面のズレが、頚椎の中を通る中枢神経を圧迫するのです。
正座をしたときの痺れを思い出してください。この時の痺れは、正座により脚の抹消神経を圧迫することで起こります。
痺れが起こってすぐに正座を崩せば、その痺れはすぐに取れます。
しかし、そのまま正座を続けたらどうでしょう?次第に脚の感覚が無くなります。そして脳が「立て」と命令しても、足は思うように動かないはずです。
そんな神経系への圧迫が脳に最も近い首の一番上の
とっても大切な神経に起こっているとしたら・・・
放っておいて大丈夫だと思いますか?
上部頸椎部分の神経が圧迫されていたとしても、身体的・精神的な症状などが身体の表に現れていない方はたくさんいます。「症状がないから何もしない」ではなく、「症状が出てない今こそ、将来的に大きな身体の問題を引き起こす神経の圧迫を早期に発見し取り除く」ことを考えてください。
子どもさんの将来の健康は
今何をするかにかかっています!!